マッサージ師も、しんどいよ

マッサージ師として、よその家で働く。とは言っても、研修で午前中は出ていて、一日に二軒回るのもくたびれるわ。
例えばAさん、Bさん、Cさんと、確実に三軒回る家がある。
Aさんは認知症があって、家人は少しでも世話をする手間が省けると、手放しで歓迎してくれる。放ったらかしなので、御老人のうわ言を適当にうっちゃっておき、掃除、洗濯など、家人から指示があってもなくても、着実に仕事をしておいて、次へと進める。
Bさんはだけど、面倒。頭がしっかりしているので、うっかりと個人情報並みのことも、口にしていいものかどうか判らない。おしゃべりが好きな人だから、しゃべった後で、今のは職業上の秘密なので内緒に、と言っておくことが、暗に、ダメ出ししている風と判る様。必要に応じて、体の具合や、昔話のいいとこを、さりげなく引き出す。すると、おしゃべりだけでその日一日はOKのときもあるし。後は最初のうち、差し入れ程度に、お菓子や野菜などを持って行ってたけど、いつしか、持って行かないと、本人が腐った顔で出迎える。あれはやりにくいんだけど。
そして、Cさん。この人は一人暮らしの男性。いきなり、今日は来てもらわなくて結構と言っといて後で、やっぱり来てくれというし。かなりの偏屈者。料理ときたら、何でもいい、その辺のもんでと言う。洗濯や掃除はといえば、適当にそこいらをしとけとか。何かにつけ命令口調。本人は寝転がって、DVDを観たままだし。気になり出すと、いいから帰ってくれという始末だもん。
何をしても仕事とは、ハッキリ言って、しんどいよ。一番だったのはやはり、買物を頼まれて、帰って来たらちょうど時間となりましたってことかなあ。